ファブレスとオンリーワン戦略
印刷業界、特にペーパーメディアは近年、低価格化の傾向に拍車がかかり、一段と競争が激しくなっています。
印刷業界におけるファブレスとは?
印刷会社の成果物である「印刷物」は、標準的な「仕様」があります。
その「仕様」に沿った印刷物は、ここ20年で非常に低価格になってきました(コモディティ化)。
一方、「印刷物」を実際に「印刷」するのは「職人」と呼ばれる人たちであり、「印刷機」の印刷作業における「標準化」が進んできたとはいえ、「印刷職人」の確保と管理は職人の高年齢化や、人件費の上昇、人手不足なども相まって低価格化しにくい部分です。
「成果物の高品質・低価格化」という市場の要求(ニーズ)と相反するベクトルであり、このことは経営の大きなテーマといえます。
また、現代の工場風に「作業標準」や「PDCA」、「改善提案」などを取り入れたとしても、成果物である印刷物それ自体が、画一的な製品ではないため、全てをマニュアル化することは難しいのが現状ではないでしょうか。
そこで経営戦略の選択肢の一つとして、「工場を持たない」という選択肢が考えられます。
いわゆる「ファブレス」です。
ファブレスとは、自社で生産設備を持たず、外部の協力企業に100%生産委託しているメーカーのことをいいます。
弊社「株式会社アイキャッチ」は、印刷物に関しては売上比率でいうと90%以上が外注です。
ファブレス企業にとっては、成果物である「印刷物」のコモディティ化および低価格化は、最初から狙ったところでもあり、まさに歓迎すべき状況といえます。
その反面、外注先の管理(品質管理、特に色の管理、納期管理)が自社で把握しにくい部分のため、課題になってきます。
「アイキャッチさんは、外注先はネットですか?」と仲の良い市内業者の営業マンに良く訊かれるのですが、(この場合、『ネット』とは印刷通販サイトを指しているとおもわれます。)実は、必ずしもそうではありません。
コモディティ―化している商品ジャンルについては、そのようなサイトを使うこともできますが、全てがそうではないからです。
たとえば、4色印刷や1色印刷はネット通販の独壇場ですが、特色印刷や2色印刷(特色+墨)、そして特殊な紙を使用した印刷物などは、なかなかコモディティ―化されにくい部分だと思います。
ネット時代に生き残れる従来型の印刷会社の強みとは?
やはり、コモディティ化していない印刷物、例えば印刷通販的な印刷物「以外」の「特殊な仕様」については、それが可能な印刷会社は、圧倒的に強みを発揮できるのではないでしょうか。
簡単に言い換えれば、「よそにできない商品」であれば、それはそのまま強みとなるのは、ネット時代においても変わらないということ。やはり、オンリーワンは強いのです。
「工場」「生産設備」「職人」という限られたリソースを、どのように生かすのか?
ネット時代の低価格競争に巻き込まれない為には、どのような市場を創造すれば良いのか?
その為には、仕事を「取ってくる」だけではなく、「創りだす」「提案する」「売ってくる」。
その為のスキルを、どのように獲得すれば良いのか?
そして、そのためにはどのように時間を使えばいいのか?
などなど、経営者として考えるべきことは、まだまだたくさんあります。
それがネット時代に価格競争に巻き込まれずに、オンリーワンでいることができる戦略ではないか?と私は考えます。
弊社は、ネット(印刷通販サイト)には特にこだわっておらず、良い品質で印刷をしていただける印刷会社様を広く募集しております。
我が社こそは!と思われる企業のトップの方、是非ご一報いただければと思います。