あなたは随意契約を知っていますか?
暑さもようやく和らぎ、朝晩が涼しくなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日は、「随意契約」というものについて「それは何なのか」わかりやすく解説したいと思います。
随意契約とは何?わかりやすく説明します。
随意契約(ずいいけいやく)とは国、地方公共団体などが競争入札によらずに任意で決定した相手と契約を締結すること、及び締結した契約をいう。
「随意契約」とは、競争の方法によらないで、普通地方公共団体が任意に特定の相手方を選択して締結する契約方法をいう。随意契約は、一般競争入札又は指名競争入札に比しさらに手続きが簡略であり、かつ、経費の面でも一段と負担が少なくてすみ、しかも相手方が特定した者であるため競争入札によってはその全てを満たすことのできないような資力、信用、技術、経験等相手方の能力等を熟知のうえ選定することができるから、その運用が適切なものであれば、その長所を発揮し、所期の目的を達成することができる。(第一法規株式会社「地方公共団体 契約実務ハンドブック」より抜粋)しかしながら、地方公共団体の契約は、競争入札を原則としていることから、安易に随意契約とすることは、厳に慎むよう注意すること
wikipediaの随意契約についての定義によると、上の引用のような説明になります。
これは単純に言葉の意味としての説明となっていますが、いまひとつ実態が見えてこないと思いませんか?
さらに、wikipediaを読み進めますと難解な説明文が続きますが。
随意契約(以下、随契と略す)について、「随契が認められる理由」として以下の5つの場合分けのパターンが示されています。
緊急随契/競争に付することが不利と認められる場合/少額随契/その他政令で定める場合/不落随契
反対解釈をすれば、上記5つのパターン以外の場合は、随意契約が認められない(=通常の入札等による契約締結を執行する)ということができます。
つまり、随契は、一般競争入札を原則とする契約方式の例外方式であるといえます。
金額の範囲も法律、条令、政令等で決められています。
この金額は地方公共団体によっても違いがありますし、契約の内容によっても違いがあります。
たとえば、「文房具」や「印刷物」なのか、あるいは「工事」なのかによって、価格帯は全然違ってくるのは容易に想像がつくと思われます。
先ほど、5つの場合分けパターンを示しましたが、「緊急随契」は読んで字のごとく「緊急の必要により競争入札に付することができないとき」に認められますし、「不落随契」は「競争契約を行っても入札者がいなかったり落札しない場合」に認められることになります。
これら随契に共通して言えることは、「オモテに出てきにくい」情報である、ということです。
随意契約はなぜオモテに出てこない?
先ほど、随意契約は、なかなか「オモテに出てきにくい」情報だと書きましたが、それは一体どうしてなのでしょうか。
逆に、調達の原則といえる「一般競争入札」というのは役所あるいは電子調達システム等で、広く情報が公開されています。
これに対して先ほど上げた「不落随契」などは、電子調達による一般競争入札を行ったが入札者がいない場合、あるいは落札しない場合、落札候補になったが契約しない場合などが考えられます。
この場合、もう一度電子調達をやり直すのが本来のスジではあるのですが、なかなかそうもいかないのです。
なぜかといえば通常、仕事には「期限」があります。
例えば印刷物であれば、「〇月〇日のイベントで必要だから、その日からさかのぼって△月△日には「納期」を設定して、□月□日には「業者選定」(=入札)を行う」というような計画をたてます。
そして入札日の前に、機関によって異なることもありますが、おおむね2週間程度の「公告期間」が必要なのです。
今日公告して明日入札、というわけにはいかないのはご理解いただけるかと思います。
もちろん、キッチキチのタイトなスケジュールで組むことは稀で、ある程度余裕をもってスケジュールを設定するものと思われます。
しかし通常、この一連の期間は印刷物だと3~6週間(1カ月程度)です。
逆から見ると、2週間の公告期間を経て、入札日になった時点で、そこで「不落」(入札者や落札者がいない)になったら、再度仕様書を練り直し、告知のための期間(2週間程度)が必要になります。
そうなった場合、イベントで配布する予定の印刷物が、イベントの開催自体に間に合わなくなってしまう恐れがあります。
そういった事態を回避するためには、たとえば随契を行ったりすることになると思われます。
他にも様々な事由が考えられますが、例えば「五万円以下に関しては競争入札によらずに随意契約にすることができる」等の条令(規則)を制定している自治体、団体もあるかと思います。
このように「原則」である一般競争入札に対して、随意契約は「例外」であるため、「オモテに出てきにくい」情報であるといえるかと思います。
随意契約(随契)を知るためにはどうすればいいのか
では、このような随契を知るためにはどうすればいいのでしょうか。
一つは、電子調達システムなら電子調達システムをマメにチェックをするということ(窓口なら窓口にマメに通う)。
さらに、予算の作成に関わること。(というと大げさですが「来年度の予算作成のために参考見積を提出して欲しい」という要望が、行政の担当者からあれば必ず提出する、等のことを言っています。)
一朝一夕にはいかないかと思いますが、こういうことをマメに続けて信頼されれば、随契の情報が多少は入ってくるようになるのではないか、と思われます。
随意契約(随契)のススメ
なぜ随契について書いているのかというと、一言でいえば「ライバルが少ない(いない)から」です。
一般競争入札にはライバルがうじゃうじゃいますが、随意契約は他社からの合い見積もりの見積書を取ることもありますが、ほぼ専属契約に近い状態といえます。
少額の契約になる場合がほとんどですが、私は随契はライバルがいないので「オイシイ」と思いますので、おススメしたいと思います。
随意契約(随契)のまとめ
随意契約(随契)は一般競争入札の例外であるためなかなか情報が入ってこないが、マメに情報をチェックしたり信頼を得られれば、ある程度の情報が入ってきます。
みなさんも、随意契約(随契)にチャレンジしてみませんか?